電気設備の異常を早期発見するための必須ツール

旭化成アドバンス株式会社 赤外線透過透明絶縁シート GAT™

サーモグラフィカメラによる点検の利便性・安全性をさらに高める、力強い相棒。

旭化成アドバンス株式会社は2015年4月、旭化成グループの商事部門を総合的に担うため発足。商事部門的なポジションでありながらも、樹脂化学品・繊維・建材の3つの事業本部があり、樹脂化学品本部はメーカー的な機能を持つ機能製品営業部開発課を擁します。

保全現場の省人化やDX化の推進において、サーモグラフィカメラによる状態監視が注目される昨今、赤外線を使った効率的かつ安全性の高い設備保全の実現に欠かせない赤外線透過透明絶縁シートGAT™について、機能製品営業部開発課・栗原氏にお話を伺いました。

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旭化成アドバンス株式会社 栗原氏

(ISO18436-7 機械状態監視診断技術者)

 

「透明かつ赤外線を透過する素材」をめざして

サーモグラフィカメラで電気設備の点検を行おうとしたところ、安全対策のためアクリル板が設置されており、赤外線を透過せず点検できなかったという話をお客様からお聞きすることがあります。GAT™はそのような問題を解決し、効率的に目視点検とサーモグラフィ点検ができることをめざして開発されました。

「GAT™は原子力発電所などの重要設備において、分電盤のカバーを取り付けたまま温度測定ができないかという要望があったことから製品化を進めました。電気設備によく見られる、感電防止を目的とした安全対策用のアクリル板は透明であるため、安全対策と目視点検が両立できますが、一方で赤外線を透過しません。いざ配電盤をアクリルカバー越しにサーモグラフィカメラで点検してみると、アクリルの表面温度を測定することになってしまいます。」

「軽く、設備が目視確認できる透明な素材が求められてきたものの、質量、加工性、コストなどの条件がハードルに。かつ赤外線を透過する特性を持たせようとした場合、どうしても不透明になってしまうという課題がありました。その後GAT™の元となった素材の試験をしていた時、偶然透明になることを発見、この製品特性を広く活用できないかという考えから、2016年より事業化しました。」

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GAT™がもたらす省力化・安全性

アクリル同様の利便性・透明性に加え、赤外線を透過する特性を持つGAT™。その魅力は、省力化や安全性にも及びます。

「GAT™は透明性を確保しただけでなく、赤外線を透過するため、サーモグラフィカメラによる温度異常の監視、点検が可能です。絶縁性や衝撃強度も、アクリルと比べて優れています。アクリルの場合、サーモグラフィカメラでの点検準備の為、取り外す作業が発生しますが、感電事故や怪我のリスクが伴う一方、GAT™に変更することでこれらのリスクも手間もなくなります。安全な点検の実現と点検時間短縮など省人化が期待でき、スマート保安にも役立つと考えます。

日本では、“設備を稼働した状態のまま”サーモグラフィカメラによる点検ができるというところにメリットを感じて、半導体、自動車関係、素材関係など工場の稼働率が高いお客様に多くご採用いただいています」

ご利用いただいているお客様からの反響も大きい、と栗原氏は続けます。

「カバーを取り外さないため時間短縮でき、安全性とも両立ができて楽になったというお話を伺っています。電気設備で保護カバーとして設置されているアクリルよりも軽いため、カバー取り外しの負担軽減に繋がったというお声や、取り外しの際の事故防止の注意喚起や対策も不要になり、効率化に繋がったという感想も印象的でした」GAT™が選ばれる理由には、その加工性の高さもあります。

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整備が進むサーモグラフィカメラによる診断、設備保全

「GAT™のもう一つの特長として非常に加工性が高いことが挙げられます。一般的なハサミやカッターなどの工具でのカット加工が可能で、特殊な工具は不要。GAT™を取付けたい箇所のカバーを加工した後、GAT™をご希望の大きさにカットし、ビスで固定するだけなんです。

GAT™は厚みによって2種類あり、GAT-10が1.0mm厚、GAT-05が0.5mm厚です。厚みが増すと強度が高くなるものの、赤外線の透過率とはトレードオフになります。電気設備の保護カバー用としては、欧米ではGAT-05の販売実績が多く、日本ではGAT-10を選ばれるお客様がほとんど。欧米では赤外線の透過率を重視し、日本ではカバーとしての使用を重視されているようです」

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サーモグラフィカメラによる点検を実施する場合、推奨の機種等はあるのでしょうか。

「予防保全的に使用する場合、異常箇所の見落としがないようにサーモグラフィカメラにも一定の性能が求められ、FLIR T540、少なくともFLIR E52以上の性能は必要だと考えます。GAT™のサンプルのご提供や導入のご相談に合わせて、サーモグラフィカメラの選定も可能ですのでご相談いただければと思います」

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GAT™などの設備用ツールに加えて、ISOのサーモグラフィ技術者認証が開始されるなど、近年、サーモグラフィカメラによる診断、設備保全の環境が充実してきています。フリアーシステムズジャパンでは教育支援として、サーモグラフィカメラによる保全の現場導入サポートや教育を実施。業界全体で、さらなる安全性・利便性の向上をめざしています。

※GAT™の設置方法、記事中の人物の所属、肩書き等は取材当時のものです。

 

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