スマホにサーモグラフィーアプリを入れるメリットやおすすめ4選を紹介

サーモグラフィーの機能は、感染症対策や夜間監視などさまざまなシーンで活躍しています。

サーモグラフィーアプリをインストールすれば、スマホやタブレットでも温度を可視化できることをご存知でしょうか

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今回は、サーモグラフィーの概要や仕組みに触れながら、スマホにサーモグラフィーアプリを入れるメリットや、おすすめの製品を紹介していきます。


サーモグラフィーとは?仕組みを解説

サーモグラフィーとは、物体から放射される赤外線を分析し、温度分布を表した画像や映像、またはその画像を取得するために利用する装置のことです。つまり、温度を可視化できる装置です。

可視化された温度は、その高さに応じて赤から青のグラデーションで表示されます。機能や用途によっても異なりますが、高温エリアは赤色、低温エリアは青色で表示されることが一般的です。

温度を可視化して映像化・画像化するカメラを、サーモグラフィーカメラやサーマルカメラ、サーモカメラと呼びます。サーモグラフィーカメラは、感染症対策や入退室管理、建物のメンテナンスなど幅広いシーンで活躍しています。

 

サーモグラフィーカメラの仕組み

サーモグラフィーカメラは、物体が放射する赤外線量に基づいて温度を可視化します

そもそも赤外線は、熱を持つ物体から放射される光です。その放射量は、物体の温度に比例します。高温物体では赤外線量は多く、低温物体では赤外線量は少なくなります。

ただし、赤外線は人の目で捉えることができません。赤外線は光の一種ですが、目で確認できる範囲外の波長を持っているためです。

サーモグラフィーカメラには、赤外線を検知・分析するセンサーが搭載されており、物体から放射される赤外線を検知して温度を可視化できます。

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サーモグラフィーカメラの特長

サーモグラフィーカメラには、おもに次の3つの特長があります。

・広範囲を測定できる

・非接触で測定できる

・視界が悪い環境で測定できる

一つずつ見ていきましょう。

 

広範囲を測定できる

サーモグラフィーカメラは、通常のカメラと比べて検出可能な範囲が広い点が特長です。対象物から離れた場所に設置しても、問題なく安全に温度を測定できます。

 

たとえば、高所や海上のように対象物の近くにカメラを設置できない場所、空港やエントランスなど大勢の人が集まるエリアでも、人や物体が撮影範囲内にあれば遠く離れた場所から温度測定が可能です。

 

非接触で測定できる

サーモグラフィーカメラは、物体から放射される赤外線を捉えて測定します。したがって、人肌や物体の表面に測定機器を当てる体温計とは違い、非接触で温度測定が可能です。

感染症対策として温度測定が必要な場面、危険物や高温物体、移動する物体の検査や温度測定をする場面などで役立つでしょう。

 

また、通常の温度測定機器とは異なり、対象物全体の温度測定が可能で、温度分布を把握できる点もサーモグラフィーカメラならではの特長です。

 

視界が悪い環境で測定できる

通常のカメラは、物体から発せられる光を捉えて画像・映像を撮影するため、光源が必要です。光源が少なければ、鮮明に撮影することはできません。

 

一方、サーモグラフィーカメラは、物体が放射する赤外線を捉えて画像・映像を撮影します。赤外線には「物体をすり抜ける(透過)」性質があります。赤外線の高い透過性を利用することで、光源のない暗所や逆光が強い場所、霧や煙で視界が悪い環境などでも、人や物体をはっきりと撮影できるのです。


サーモグラフィーはどう使う?役立つシーンについて

ここまでサーモグラフィーカメラの機能について紹介してきましたが、アプリをインストールして専用機器と連携・接続すれば、スマホやタブレットでもサーモグラフィーの機能を使えるようになります。

活用シーンによっては、サーモグラフィーカメラではなく、アプリをインストールしたスマホやタブレットのほうが適しているでしょう。

「業務用のスマホやタブレットをサーモグラフィーカメラとして使いたい」「プライベートでもサーモグラフィー機能を使いたい」という方は、アプリの利用も検討してみてください。

サーモグラフィーカメラは、非接触で人や物体の表面温度を測定できます。

オフィスのエントランスや大勢の人が行き来する場所に設置すれば、接触せずに広範囲を検出し、発熱者や基準値を超える人を効率的にスクリーニングできます。

撮影範囲内の対象者一人ひとりを、離れたところからリアルタイムかつスピーディーに温度測定できるため、検温の手間や時間がかからず、安全に感染症対策を実施できるでしょう。

 

冷暖房・空調の点検

温度分布を画像・映像として表示できるサーモグラフィーカメラは、冷暖房設備や空調換気システム、給湯設備などの稼働状態を確認する際にも役立ちます。

非接触で温度測定ができるため、冷暖房設備や空調換気システムを分解・破壊することなく、設備につながる配管や接合部に異常がないか、空気漏れを起こしていないかの点検が可能です。

 

機械の診断・メンテナンス

サーモグラフィーカメラは、工場や工事現場における機械・設備の異常な発熱や、目に見えない温度変化を検知できます。

発熱や温度変化を検知することで、故障を未然に防いだり、不具合を早い段階で検出したりできるため、機械や設備の診断・メンテナンスを効果的に行えるでしょう。

 

とくに、配電盤や分電盤などのケーブル劣化による機械の故障、電気設備の漏電は、施設全体にダメージを与えるほか、発火の危険性もあります。サーモグラフィーカメラでは、潜在的な不具合・不良箇所を可視化できるため、故障や漏電の兆候に素早く気付くことができ、安全対策としても有効です。

 

建物設備の不備・欠陥のチェック

建物設備の温度分布を可視化する場面でも、サーモグラフィーカメラが活躍しています。

新築の建物、リフォームされた建物など住宅設備の機密性や遮熱性、床や壁に設置された断熱材の効果、雨漏りや漏水といった不備のチェックに使われています。

また、広範囲にわたって温度測定ができるため、建物周囲から外観を撮影して屋根や壁からの放熱や蓄熱の状態を可視化し、欠陥箇所の特定が可能です。

 


サーモグラフィーアプリを使うメリット

通常のサーモグラフィーカメラと比較して、アプリにはどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

※一般的に、スマートフォンには赤外線・熱センサーが搭載されていません。アプリだけでは物体の温度検出ができず、専用機器が必要となる点にご注意ください。

 

リーズナブルで本格的なサーモグラフィーカメラが手に入る

サーモグラフィーカメラは、プロの現場作業を想定して設計されているものが多く、性能や機能の充実度に比例して値段も高くなります。

サーモグラフィーアプリ+専用機器であれば、カメラと比べてリーズナブルに、本格的なサーモグラフィー機能を利用できます。多くのアプリは無料でインストールでき、専用機器はカメラのおよそ1/3〜1/5程度で購入可能です。

 

シンプルな操作で機能も充実している

スマホの画面上で簡単に豊富な機能を操作できる点も、サーモグラフィーアプリのメリットです。操作前に細かいトレーニングを行う必要がないため、誰でも気軽に温度測定ができます。

 

静止画と動画どちらも撮影できる

サーモグラフィーカメラは、データフォーマットが限定的な製品も存在し、「静止画のみ」「動画のみ」といった保存形式になることがあります。サーモグラフィーアプリの多くは、スマホのカメラ機能を使って、静止画と動画のどちらも撮影できます

たとえば、定点観測で温度変化を比較したい場合、アプリによってはタイムラプスで撮影することも可能です。利用用途に応じて保存形式を選択できる利便性の高さは、アプリの大きなメリットといえるでしょう。

 

熱画像解像度が高い

熱画像解像度とは「どれだけ鮮明に画像を表示できるか」という度合いです。

連携・接続する機器の性能にも左右されますが、サーモグラフィーアプリでは比較的高い熱画像解像度で、リアルタイムの温度分布を見ることができます。

 


おすすめのサーモグラフィーアプリ|FLIR ONE

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幅広いシーンに活用できるサーモグラフィーカメラですが、手軽に購入できるものではありません。そこでおすすめしたいのが、iPhoneやAndroidのスマホがサーモグラフィーカメラになるアプリ「FLIR ONE」です

iPhoneやAndroidのスマホに無料の専用アプリをインストールし、機器を装着または連携すれば、スマホで温度が見えるようになるため非常に便利です。

 

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ここからは、「FLIR ONE」アプリとセットで使えるおすすめの製品4選を紹介します。

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FLIR ONE Pro

「FLIR ONE Pro」は、赤外線解像度を従来モデルより4倍も向上させ、VividIR™画像処理機能を搭載しているため、画像がとても鮮明です。冷暖房や空調などの不具合・不良箇所の検査に使えるほか、高さ1.8mからの落下に耐えられる優れた耐久性があり、プライベートのみではなく、プロの現場でも通用する性能を持っています。

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FLIR ONE Pro LT

「FLIR ONE Pro LT」には、スーパーファインコントラスト機能(MSX機能)が搭載されています。MSX機能とは、サーモグラフィ画像と可視画像(通常カメラの画像)をリアルタイムに合体させ、対象物の輪郭や文字情報をサーモグラフィ画像内に表示するFLIR独自の機能のことです。

ブレーカーや電化製品、電気設備などの診断・メンテナンス、冷暖房や室内換気システムの効果測定、水漏れ・雨漏り箇所の特定などに役立ちます。

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FLIR ONE Gen 3

「FLIR ONE Gen 3」にも、「FLIR ONE Pro LT」同様にスーパーファインコントラスト機能(MSX機能)が搭載されています。建築・リフォームなど住宅設備内外の診断や漏水診断、電気設備の保安・点検、衛生管理など幅広いシーンで利用できます。

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FLIR ONE Edge Pro

「FLIR ONE Edge Pro」は、他の3機種と異なり、スマホとのワイヤレス接続が可能です。また、クラウドサービスのFLIR Ignite™を使用すれば、撮影した画像・映像を瞬時にクラウドにアップロード、データの編集・整理・保存・共有ができます。

ワイヤレス接続であるため、片手に「FLIR ONE Edge Pro」、もう片方の手でスマホを持てば、手の届きにくい場所や見えない位置にある対象物を測定できます。

 

また、「FLIR ONE Edge Pro」にはスマホに固定できるフックがついており、片手でスマホを持ちながら温度測定することも可能です。利用前に細かいレクチャーやトレーニングは必要ありません。誰でも簡単に使い始められるほど操作がシンプルな一台です。

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まとめ

サーモグラフィーは、感染症対策、機械の点検やメンテナンス、住宅設備の欠陥特定など多くのシーンで活用されています。近年では、スマホやタブレットにアプリを入れて、専用機器と連携・接続すればサーモグラフィー機能が手に入るようになりました。

サーモグラフィーアプリ「FLIR ONE」と専用機器の組み合わせなら、リーズナブルな価格で、初心者からプロまで手軽に本格的な機能を使えます。

「業務用のスマホやタブレットをサーモグラフィーカメラとして使いたい」「プライベートでもサーモグラフィー機能を使いたい」という方は、サーモグラフィーアプリの利用をぜひご検討ください。

そのほか、サーモグラフィーカメラやアプリ、赤外線センサーに関するお困りごとがございましたら、お気軽にページ内フォームよりお問い合わせください。

 

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