映画でリアルな3Dの動きをレンダリングするために使用されたモーション写真測量

映画の製作者はマジシャンのようなもので、新しいトリックを見ると、仕掛けやその発想を知りたくなります。 Scarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)主演のGhost in the Shell(ゴースト・イン・ザ・シェル)の製作者もまさにそうでした。 この映画には、剣士やお茶を入れる芸者のような人物の実写ホログラムが街の風景全体に写し出されています。 これらの実写ホログラム、すなわち「ソログラム」は未来の3D広告を表していて、建物を覆ったり間から浮かび上がったり、路上の人々の間を漂ったりしています。 

ソログラムを作成するために、VFX とカメラアレイテクノロジーの会社、Degital Air Inc. は特殊なモーション写真測量カメラシステムを開発しました。 写真測量は、テクスチャ処理された体積型3Dスキャンを生成するために映画やビデオゲームで広く使用されています。これは操作して映画にアニメーションとして組み込むことができます。 この種のスチール写真測量は非常にリアルなスチール3D画像を生成することができますが、スキャンをアニメーションにするときに、単一のテクスチャマップのポストアニメーションに依存することで問題が生じます。 たとえば、顔や布のような複雑な面の動きを自然に見せるのが困難です。 従来の写真測量では、次の動きに移るまで1回ずつ撮影していました。 技術の発達した近未来を舞台にした Ghost in the Shell(ゴースト・イン・ザ・シェル)のような映画では、視聴者はなめらかな動きの3Dを期待しています。

Digital Air社のWebサイトで、斬新なモーション写真測量システムを疑似体験できます。 Digital Air が映画に使用したシステムは、80台の同期したFLIR Grasshopper(GS3-U3-50S5C-C)カメラで構成したドーム型の装置でした 。 これらのカメラを使って2.5 K解像度および24 fpsで撮影し、それぞれの3Dモデルの同じ原型についてマルチフレームテクスチャオブジェクトのシーケンスを作成しました。 すべてのカメラのシャッターで完璧なタイミングを捉えるGrasshopperの自動同期機能は、モーション写真測量の装置を適切に機能させるために非常に重要でした。 映画の3Dアニメーションを作成するために必要な人物の動きはすべてカメラに記録されました。

Digital Air社のハードウェアシステムにより、毎秒24回の全身の写真測量のスキャンに必要な一貫性のあるRGBデータを生成されました。 Reality Capture写真測量ソフトウェアを使ってシーケンシャル3Dモデルが作成され、写真測量スキャンが寸法と原型の一貫性を保ったモーションシーケンスに加工されました。 すべてのフレームは、異なるテクスチャのまったく新しい3Dモデルです。 このプロセスにより、あらゆる角度からレンダリング可能な画像を蓄積でき、従来の3Dスキャンとは異なり、動いている様子を写真として捉えました。 得られたスキャンは、ポストプロダクションで順にレンダリングして、元の動きをCGで構成した背景やカメラの移動に合わせて復元しました。 またこのプロセスにより、町の裕福な界隈には高密度、高解像度のソノグラム、赤線地帯の人工物にはピクセル化したソノグラムといったニュアンスを加えました。

Digital Air社のデイトン・テイラー氏は、ソログラムにより「フューチャーレトロなテックビジュアル」らしさを出す必要があったと言います。これまで見たこともないような映像で、役者の動きとも違うものにするつもりでした。 このニーズを追求するうち、この映画が写真測量の可能性を示す格好のショーケースになったと感じました。 映画が驚異的なビジュアルで称賛を受けたことを考えると、彼の言葉には万人が同意することでしょう。

Digital Air 社概要

Digital Air は視覚効果とカメラアレイ関連テクノロジーを開発、製作する会社です。 視覚効果のプロダクションサービスとしてカメラシステムを世界中の撮影現場で提供しています。 また、イベントや常設用のカスタムカメラシステムのライセンス、構築、設置を行っています。 

www.digitalair.com 

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