高度なカメラ技術を使用した低コストのモバイルマッピング

Horusは、高解像度の全天球カメラを利用して、高速道路のスピードでの道路自動検出を可能にします。

最近では、ストリートマッピングアプリに住所を入力して、実際に行く前にその場所の様子をパノラマ写真で確認することが普通になってきています。お出かけスポットを調べたり、興味のある不動産物件を閲覧したり、新しいレストランに十分な駐車場があるかどうかを確認したりと、事前にその場所の状況を把握するうえでとても便利です。

とはいえ、この技術は産業用途ではさらに価値があります。インテリジェントなモバイルマッピングソリューションが登場する前、公共事業部門では、市の道路、橋、建物、高速道路の修理やメンテナンスのために作業員を派遣する前に、従業員が車や徒歩で現地調査に赴いていました。 

もっと安全で効果もコスト効率も高い方法として、この検査を高解像度の画像キャプチャを使って電子的に行うことができます。画像ベースのモバイルマッピングを使用すると、地方自治体は時間とコストを節約しながら、道路や他のインフラを安全に保つことができます。

動画ベースのモバイルマッピング

オランダに本社を置き、統合システムを提供するHorusは、従来のLiDAR測量テクノロジーの代わりに画像データをモバイルマッピングに使用することで、検査対象アセットのより詳細な視覚画像を入手できるようにし、モバイルマッピング業界に革新をもたらしました。同社は、市、町、公共事業会社と連携するサービスプロバイダーにモバイルマッピングシステムを販売して、インフラの検査、修理、予防的保守をより効率的に行えるようにしています。

Horusは、10年以上前にモバイルマッピングサービスのプロバイダーとして創業し、現在はモバイルマッピング業界向けのソフトウェアソリューションを提供しています。安心して生活して働くことのできる世界の実現を目指し、技術の開発によって可能性を広げ、今後活用可能なイメージングソリューションを作成しています。  

現在、モバイルマッピング業界では革命が起きています。当初は保守的だったモバイルマッピング市場は、GPUの拡張、人工知能(AI)の進歩、ハイエンドカメラシステムを最大限に利用する点で巻き返しを図っています。

従来のプロセスを改善した方法を取り入れ、特に最近では、モバイルマッピングの分野におけるAIと複合的な機械学習アルゴリズムの効果性が実証されています。Horusのハードウェアおよびソフトウェアのソリューションを使用すると、効率の良い自動ワークフローにより、道路レベルの画像から有用な地理情報システム(GIS)データを入手することができます。ハードウェアメーカーやモバイルマッピングシステムインテグレーターとの連携に加え、AIを活用することで、高度なインテリジェント動画分析ソリューションが開発されています。

HorusのCityMapperは、道路、インフラ、都市環境データを車載デバイスからすばやく生産的にキャプチャできる、モジュール型モバイルマッピングシステムです。車、ボート、電車などの乗り物に取り付け可能なターンキーソリューションです。CityMapperには、Teledyne FLIR IIS(統合イメージングソリューション)のLadybug6プロフェッショナル全方位カメラと、Applanixグローバルナビゲーション衛星システム/慣性航法システム(GNSS/INS)による位置検出が搭載されています。道路レベルの画像を瞬時にキャプチャすることで、プロジェクトの運用コストを大幅に削減し、安全性を高めることができます。このシステムは、道路点検やアセット管理アプリケーションのために、ジオリファレンスを使用した質の高い没入型パノラマ画像を提供します。AIとHorus GeoSuiteのマッピングソフトウェアを活用することで、道路の自動点検を10倍のスピードで行えます。

動画ベースのモバイルマッピングの応用

Novotecniは、スペインに拠点を置くコンサルティングおよびエンジニアリング会社です。エドゥアルド・ハビエル・セラ氏はこう語ります。「当社の創業時は、セパレート型のGPS、アンテナ、慣性測定ユニット、Teledyne FLIR IIS Ladybug5を利用して、機器のセットアップを社内で開発していました。毎日、現場作業を開始する前に、2人がかりで45分から90分かけてシステムをインストールし起動していました」。

セラ氏はこう続けます。「今ではCityMapperとLadybug5+のおかげで、チームは現場に到着してから15~20分以内にセットアッププロセスを完了できるので、画像をキャプチャして結果を取得する作業に多くの時間を充てられるようになりました。その結果、1日あたりの作業範囲が増え、プロジェクトにかかる日数が減りました。大幅なコスト削減につながっただけでなく、燃料の消費も減り、環境への影響を抑えることもできています」。

Horusの他のお客様事例として、米国に拠点を置くMastermindでは、既存のシステムを高解像度の全天球カメラにアップグレードする必要があることに気付きました。Mastermindの顧客は、アセットをズームインして大きく表示し、詳細な情報を読み取りたいと考えています。

同社はこうコメントしています。「Teledyne FLIR IIS LadyBug6のカメラを使ってみて驚きました。カメラが到着してから、統合に関してもHorusからしっかりサポートを受けることができ、数日後には稼働できるようになりました。Horus GeoSuiteマッピングソフトウェアのパノラマ画像は美しく、LadyBug6は当社のモバイルマッピングサービスに最適な包括的なターンキーカメラとなっています」。

 

システムの仕組み

Horusは、Teledyne FLIR IISの高解像度の全方位Ladybug6カメラを、わずか数日でCityMapperのモバイルマッピングソリューションに統合しました。これまではLadybug5モデルのカメラを使用していました。CityMapperは、顔やナンバープレートを匿名化するためにHORISONのほぼリアルタイムのぼかしを追加し、画像データがプライバシー規制の多くに準拠するようにしています。顧客は必要に応じて、Ladybug6を含むベーシックなCityMapperを、サーマルカメラやさらに高解像度のカメラにアップグレードすることもできます。

Horusは、Teledyne FLIR IIS Ladybug6をCityMapperに統合することにしました。これにより、高解像度マッピング、道路測量、アセット検査など、高精度イメージングを必要とするアプリケーションのユーザーに、現場で実証済みのフォーマットでの高精度なトリガー制御と解像度を提供できるからです。Ladybug6は、あらゆる気象条件下でも移動式プラットフォームから360度の球状画像を撮影できるように設計された、最先端の高解像度カメラです。産業グレードの設計とすぐに使える工場キャリブレーションにより、72メガピクセル(10メートルの距離で公差2ミリメートル以内という空間精度のピクセル値)の画像が生成されます。

HorusがLadybug6カメラを選んだ別の理由は、グローバルシャッターCMOSセンサーやハイエンド光学系と組み合わせたキャリブレーションにより、業界最高レベルの精度と画質を実現できることです。  さまざまな明るさの条件下で、優れた色応答、低ノイズ、高ダイナミックレンジの高品質画像をキャプチャすることができます。

このカメラは、ワークフローを最適化するためのオンボード画像処理を使用して、8ビットまたは12ビットのピクセルデータをキャプチャ、圧縮、伝送します。Teledyne FLIR IISの機能豊富なLadybugソフトウェア開発キット(SDK)を使用すると、分かりやすいインターフェイスを使って画像の取得、球状のパノラマ画像の生成、取得前後のカメラ設定の微調整を行うことができます。

過酷な環境での産業用途向けに設計されたLadybug6は、屋外での使用を想定して作られており、IP67定格、産業グレードのコネクタ、広範囲の動作温度(-30°Cから50°C)に対応しています。

Novotecni社のセラ氏は、「その結果、1日あたりの作業範囲が増え、プロジェクトにかかる日数が減りました。大幅なコスト削減につながっただけでなく、燃料の消費も減り、環境への影響を抑えることもできています」と語っています。
点検やメンテナンスのために道路をマッピングする場合、データの取得は始まりにすぎません。問題となるのは、収集したデータを安全に保存し、管理し、適切なタイミングで使用することです。最終的に、データを実用的な情報に変換する必要があります。HorusのGeoSuiteマッピングソフトウェアと自動マッピングを使うなら、顧客はモバイルマッピング情報を最大限に活用できるようになります。

画像ベースのモバイルマッピングとLiDARの比較

Horusは、LiDARなどのモバイルマッピング技術ではなく、画像ベースのソリューションを選びました。 HorusのCityMapperは、画像データを瞬時にキャプチャする画像ベースのモバイルマッピングソリューションであり、LiDARのみを使用するシステムと比較してコスト効率が非常に高くなります。 

LiDAR(「光検出と測距」)テクノロジーとは、3Dスキャンとレーザースキャンを特別な仕方で組み合わせたものです。このテクノロジーは、高解像度のマップ作成によく使用されますが、出力は3D表現であり、実際の画像ではありません。

Horusが画像データを使用することにしたのは、アセットの状態を知るのに必要な視覚的な詳細情報が得られるからです。LiDARは、特に価格、精度、データ量の点で、必ずしも理想的なソリューションとは言えません。画像ベースのモバイルマッピングソリューションの市場は成熟しつつあり、検査、在庫管理、計算を行うための理想的なソリューションとなっています。

今では、高解像度の球状サーマル画像データにより、驚くほど詳細な視覚情報をアセット検査で利用することができます。モバイルマッピングシステムの統合サービスを提供する会社は、現在の製品範囲を強化したり、新しい画像システムを構築したりする必要があります。Horusでは、CityMapperソリューションを使用してそれを実現し、顧客が道路レベルの画像をキャプチャ、表示、調査できるようにしました。