ノルウェーのトンネルを自動事故検知で安全に。

FLIRは、ノルウェーにある新しいHundvågトンネルとEiganesトンネルに自動事故検知(AID)システムを備えた、インテリジェントデュアルビジョンカメラを提供する機会に恵まれました。このカメラにより、停止した車両、紛失した貨物、歩行者など、さまざまな交通事故の可能性を迅速にトンネルオペレーターに警告し、緊急サービスの提供できるようになりました。


ノルウェーの地理的条件は複雑です。自然の障害となる多くのフィヨルド、氷河、山地を無視して移動することは困難です。そのため、ノルウェーには多くのトンネルがあります。Ryfast・プロジェクトは、Stavanger市からStrand市までを結ぶ、ノルウェーで最大規模の道路プロジェクトであり、国内で最も新しいトンネル・インフラストラクチャのプロジェクトの一つです。

このプロジェクトは、3つのトンネルで構成されています。Tauの村からHundvåg島まで続く14.4kmのRyfylkeトンネルは、2019年12月にオープンしました。HundvågからStavangerまで5.5kmのHundvågトンネルは、2020年4月にオープンしました。また、EE39沿岸高速道路の一部分として、Stavanger市の下を走る3.7kmのEiganesトンネルとつながっています。

 

密集した交通網における安全性

ノルウェー公道管理局(NPRA)とトンネル建設業者は、HundvågトンネルとEiganesトンネルについて、組織の持つ高い安全基準を満たしつつも、信頼性の高いトンネル安全システムを探していました。この点は特に、交通量の多いHundvågトンネルとEiganesトンネルの2本穴トンネルで、1日あたり1万台、3万5千台の車両がそれぞれ通過するということを鑑みて、重要でした。

どちらのトンネルにおいても、交通管制モニタリングシステム、ビデオ監視 (CCTV)、自動事故検知(AID)などのシステムを十分に供給できる、北欧のシステム・インテグレーター Trafsys が選ばれました。Trafsysは、トンネルでの安全性の高いプロジェクトにおける長年の経験に基づき、AIDカメラ技術の中でもFLIR Systemsを選択しました。

「私たちは、以前携わったトンネルプロジェクトで、すでにFLIRの交通事故検知システムを使用しており、その安定性を信頼していました。」と、Trafsysのデパートメント・マネージャー、クナット・オラフ・ビランド氏は述べています。「ビジュアル交通カメラにおけるFLIRの強力な検知アルゴリズムは、世界中のトンネルプロジェクトでその性能を実証してきました。今回はさらにFLIRのデュアルビジョンカメラにより、当社において実証済みのビデオ分析と、サーマルイメージングの技術を組み合わせることを実現しました。」

可視性が高く、かつサーマルイメージングも可能な1台のカメラ

Trafsys は、サーマルおよび可視カメラと、高度なビデオ分析を組み合わせた FLIR ITS シリーズ デュアル AID カメラを当プロジェクトで選択しました。HundvågトンネルとEiganesのトンネルには、合計332台のFLIRカメラが設置されています。

サーマルイメージングカメラの使用は、トンネルの出入口で特に有益であることが実証されています。このような場所では、影や直射日光があると、可視光カメラの視界が遮られ、交通検知が妨げられる可能性があります。このカメラは光だけではなく熱も検知するため、影や直射日光が発生していても問題になりません。つまり、交通を24時間365日、あらゆる気象条件下で検知することができます。

its-dual-aid.png332台のFLIR ITSデュアルAIDカメラは、HundvågトンネルおよびEiganesトンネルに設置されています。

HundvågトンネルとEiganesトンネルの複雑な地形を鑑みれば、FLIR ITSシリーズ デュアルAIDのようなカメラシステムは、最も効率的なテクノロジーの選択であると、クナット=オラフ氏は述べています。「また、両方のトンネルでは多くの曲線があるため、さまざまな位置に設置が可能な適切な検出システムが必要です。」

ノルウェー公道管理局の建設/メンテナンスマネージャー、アンダース・ヘレ氏は、「カメラの性能は常に最高です。」と述べています。制御室のサーマル画像で事故をはっきりと確認することが可能なため、状況を理解するための時間を短縮し、意思決定プロセスをスピードアップすることができます。システムの信頼性、その性能、およびアラームのエラー率の低さを鑑みても、自動事故検知システムを考慮する際には、FLIRデュアルビジョンカメラを私はお勧めします。」

FLIR Systemsの事業開発ディレクター、スッハデブ・ボーガル氏は、「この大規模なトンネル安全プロジェクトに弊社のシステムが選ばれたことを光栄に思っています。」と言います。「弊社のITSデュアルAIDカメラを、ここまで多数導入したのは初めてのことです。この地域におけるより多くのトンネルを、より安全な交通網を提供できる場所にするお手伝いができることを当社は光栄に思っています。」

dual.pngFLIR ITSシリーズ デュアルAIDは、停止した車両、また速度が急降下した車両、間違った方向のドライバー、歩行者、落下物、及び火災を検知します。

早期火災検知

「FLIRの優れた検出性能に加えて、ビジュアルカメラとサーマルカメラの組み合わせを同一のベンダーから得られるということは、大きな利点となり得ます」と、クナット-オラフ氏は述べています。「両方のカメラを 1 つの検出ユニットで統合することで、非常にコンパクトなソリューションとなり、そのケーブル接続もはるかにシンプルになります。」

また、デュアルカメラの火災検知機能をオンにすることで、炎が見えて約数秒内の検知を実証した早期検知機能が利用可能です。この機能により、炎を検知した後に、交通オペレーターはトンネルをすぐに閉鎖し、迅速に消火するための措置を取ることができます。また、FLIRカメラのサーマルテクノロジーは、煙に包まれたトンネルでも、オペレーターが歩行者や車両を検知することを助けます。

火災検知機能は、2020年7月にHundvågトンネルで実際に自動車が火災を起こしたときに、その有効性を実証しました。FLIR ITSデュアルサーマルAIDカメラは、目に見える炎が現れてから7秒以内に火災を検知し、停止した車両と歩行者に対する最初の警報を出しました。

 

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