日本の火災検知システムの基準を凌駕するITSシリーズDual AID

主要都市における地下の土地計画は、交通渋滞や過密した状況を緩和していますが、交通事故の発生時に地下の道路に近づきにくいため独自の課題を抱えています。特にトンネル火災に備えた地下空間の監視は、問題を早期に把握して、人命に関わるような大惨事を防ぐために不可欠です。Teledyne FLIR ITS Dual AID赤外線サーマルカメラは、リアルタイムで温度測定とアラームを提供するため、従来の火災検知技術に比べて大きな強みとなります。最近、ITS Dual AIDは、日本の地下空間の設備に関する規制に合格しました。

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日本は、検知機器に関して世界で最も包括的な規制と要件を課しています。例えば、道路トンネル内に設置される検知システムはすべて、30秒以内に25メートル先にある0.5m2の火皿の2リットルのガソリン火災を検知できなければなりません。最近まで、こうした厳格な仕様を満たす機器は、従来の火災検知器だけでした。その後、リニア温度センサーが登場して火災検出器に対抗して提案されましたが、合格したのが火災の場所の特定のみであったため、検知に関する要件を満たすことができませんでした。

2020年、日本の国土交通省(MLIT)は、非常時自動通報設備としても機能できる新しい火災検知技術を募りました。株式会社創発システム研究所(以下、創発)(www.sohatsu.com)は、Teledyne FLIR ITSシリーズDual AID赤外線サーマルカメラをベースとした火災検知システムによってこの要請に応じました。FLIR Dual AIDは、最先端の赤外線画像処理技術と高性能ビデオ映像解析機能が統合された、自動事故検知/データ収集/火災の早期発見に向けた総合ソリューションです。

耐久性基準の合格後に、FLIR ITS Dual AIDは、本格的な火災状態をシミュレーションするトンネル内での火災検知試験を受けました。試験は、先進的な建設技術の開発協力を推進する非営利団体である「一般財団法人先端建設技術センター(ACTEC)」が実施し、試験内容には、30秒以内に25メートル先の試験用の火災を検知することが含まれていました。

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ITS Dualカメラシステムは、10秒以内に試験用の火災を検知して要件を上回りました。また、カメラの付近を通過する高温の貨物自動車に関する非火災警報試験にも合格しました。数秒以内に潜在的な火災の危険を正確に検知するITS Dual AIDカメラの能力を示すこうした結果によって、従来の火災検出器の技術に対する優位性が証明されました。総合的に見て、ITS Dualカメラは、地下空間に設置される非常時自動通報設備に関する厳格な基準に合格しました。

こうした試験の合格結果に基づいて、創発は、ITS Dualカメラベースのシステムを申請して、国土交通省が運営する新技術情報提供システム(NETIS)に認定された非常時自動通報設備として登録されました。

  • NETIS登録番号:KK-210075-A
  • 技術名称: 熱画像検知式自動通報設備
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Teledyne FLIRは、トンネルのSCADA(監視制御とデータ取得)システム用のITS Dual AIDカメラの開発に向けて、引き続き創発と連携していきます。

Teledyne FLIR ITSソリューションの詳細については、www.flir.jp/traffic/をご覧ください。

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