防爆カメラとは何か?選び方のポイント3つを紹介!

カメラのような電子機器は火花が散ることがあるため、可燃性ガスが発生する危険場所「防爆エリア」では使用できません。工場や倉庫などの防爆エリアでカメラを使いたい場合は、防爆カメラが必要です。

そこで本記事では、防爆カメラの概要や、防爆エリアの危険場所、防爆カメラの選び方のポイントについて解説します。また、おすすめの製品も紹介しますので、防爆カメラの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。


防爆カメラとは?

防爆カメラとは、可燃性のガス・蒸気・粉塵などが放出される「防爆エリア」でも使用可能なカメラです。通常のカメラは、火花や静電気、熱などを発するため、防爆エリアで使用すると、火災や爆発の原因となります。防爆カメラの使用目的や防爆規格について解説します。

防爆カメラの使用目的

防爆カメラの使用目的は主に3つあります。

第1に、危険場所における安全確認のためです。作業員が携帯できるハンディカメラを使用して、作業員の安全を確認できます。

第2に、機械の稼働状況を監視するためです。機械を監視するカメラを設置して、遠隔でチェックします。

第3に、防犯のためです。危険場所における防犯カメラとして設置します。

 

防爆カメラの防爆規格

防爆カメラをはじめとした防爆機器は、国が定める防爆規格に適合していなければなりません。日本の防爆規格には「構造規格」と「整合指針」の2種類があります。

・構造規格:電気機械器具防爆構造規格

・整合指針:工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針Ex2015、Ex2018、Ex2020)

構造規格か整合指針のどちらかの認定を受けていれば、防爆カメラとして使用可能です。

2種類の防爆規格には、それぞれ防爆記号の表記が定められており、記号を見ることによって、どのような危険場所で使用できるのかがわかります。

 

海外の防爆規定を取得していても、国内認定を受けていないものは使用できない

海外にも、国際的規格であるIECEx、ヨーロッパのATEX、アメリカのUL規格、中国のNEPSI、韓国のKCsなど、それぞれの国に応じた防爆規定があります。

これらの防爆規定を取得しているカメラであっても、国内認定を受けていなければ、日本では防爆カメラとして使用できません。


防爆エリアの危険場所とは?

防爆エリアの危険場所は、可燃性ガスの発生する頻度および持続時間によって、以下の3つに分類されます。

特別危険箇所(ゾーン0、Zone0) 

ガス、蒸気又はミスト状の可燃性物質と空気との混合物質で構成する爆発性雰囲気が連続的に、長時間又は頻繁に存在する区域。 

第一類危険箇所(ゾーン1、Zone1) 

ガス、蒸気又はミスト状の可燃性物質と空気との混合物質で構成する爆発性雰囲気が通常運転中でもときどき生成する可能性がある区域。

第二類危険箇所(ゾーン2、Zone2) 

ガス、蒸気又はミスト状の可燃性物質と空気との混合物質で構成する爆発性雰囲気が通常運転中に生成する可能性がなく生成しても短時間しか持続しない区域。 

危険度は、特別危険箇所、第一類危険箇所、第二類危険箇所の順に高くなります。

 

また、防爆エリアの危険場所は、可燃性ガスの種類によっても定義されます。構造規格の場合は、可燃性ガスが爆発したときの破壊力を示す「爆発等級」と、可燃性ガスが自然発火する温度を示す「発火度」により分類されます。爆発等級と発火度の組み合わせによって、可燃性ガスが分類されるため、その危険場所に適合した防爆カメラを選ばなければなりません。

整合指針の場合は、可燃性ガスを分類する「グループ記号」と、電子機器の最高表面温度を示す「温度等級」により分類されます。こちらも同様に、グループ記号と温度等級ごとの可燃性ガスの種類に適した防爆カメラが必要です。


防爆カメラの選び方のポイント3つ

防爆カメラを選ぶときに押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

防爆規格の認定を受けているか

先述したとおり、防爆カメラは「構造規格」または「整合指針」の認定を受けているものでなければ国内では使用できません。輸入品の場合は、国内の防爆規格の認定を受けているかどうかを必ず確認しましょう。

 

使用したい場所に適した防爆構造か

防爆カメラには、防爆エリアでの爆発を防止する「防爆構造」が備わっています。ただし、防爆構造はカメラによって異なるため、設置したい場所に適した防爆構造かどうかを確認しなければなりません。

防爆カメラを選ぶ際には、まず設置したい場所が、防爆エリアにおける危険場所のどの分類に属しているのかを調べる必要があります。そのうえで、防爆カメラに記載されている防爆記号と照らし合わせましょう。

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可燃性物質に対応しているか

設置したい防爆エリアの危険場所に存在する可燃性物質に対応可能な防爆カメラを選びましょう。防爆記号を見れば、どのような可燃性物質に適合しているかが読み取れます。

たとえば、構造規格の防爆記号は「d1G4」のように書かれています。dは、防爆構造の種類を表しており「耐圧防爆構造」のことです。1は爆発等級、G4は発火度を示しています。発火度がG4であればG3、G2、G1でも使用できます。ちなみに、爆発等級が1で発火度がG4の代表的な可燃性ガスは、アセトアルデヒドやジエチルエーテルです。また、爆発等級が1で発火度がG3の可燃性ガスにはガソリンやヘキサン、爆発等級が1で発火度がG2の可燃性ガスにはエタノールやプロパン、爆発等級が1で発火度がG1の可燃性ガスにはアセトンやアンモニアなどがあります。

防爆記号によって、これらの可燃性ガスに適合した性能の防爆カメラであることがわかります。

 

おすすめの防爆カメラ FLIR Cx5

防爆エリアで活躍する防爆カメラには、さまざまな種類があります。なかでもおすすめしたいのが、国内防爆認定を取得したハンディ型赤外線サーモグラフィカメラ「FLIR Cx5」です。

現場において、熱による異常を発見して非接触でイメージ化し、記録します。ワンタッチレベルスパン機能により、気になる箇所を画面上でタップするだけで、温度分布を最適化して自動表示し、発熱箇所を特定できます。さらに、その場ですぐに修繕ができるため、故障発生を未然に防ぐことが可能です。

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固定型防爆カメラは従来でも存在していましたが「FLIR Cx5」は防爆を取得した唯一のハンディサーモカメラです。工場や発電所などのZone2において使用できます。

詳細はこちら

 

 

 

 

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まとめ

可燃性物質が発生する防爆エリアでカメラを使用するには、防爆カメラが必要です。防爆カメラは、国が定める防爆規格である構造規格か整合指針に適合していなければなりません。海外の防爆規定を取得していても、国内認定を受けていないものは使用できないことに注意しましょう。

防爆カメラを選ぶ際には、記載されている防爆記号を確認し、設置したい場所や可燃性物質に対応しているかどうかを確認することが重要です。

 

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