日本唯一のアトマイズアルミ粉専業メーカーミナルコ株式会社 産業用音響カメラFLIR Si124使用事例

FLIR Si124アプリケーションストーリー

エアリークの見える化って可能ですか?

産業用音響カメラFLIR Si124アプリケーションストーリーではミナルコ株式会社取締役社長柳生氏、製造部長 山口氏、業務部長 岩出氏に話を伺いました。

FLIR:エアリークを気にされるようになったきっかけは何でしょうか?

柳生社長:定期巡回の際に製造現場で“シューッ”という音が出ているのを気にかけていました。音が出ているもののリーク箇所が特定できていなかったからです。弊社の三重工場(三重県伊賀市)ではアルミ粉末を生成するためにエアコンプレッサーを多く使用しています。工場の電気料金の約20~30%がエア関連とFLIRさんに伺いましたが、弊社は約50%です。エアリークは直接的にコストに繋がるので対策を考えていましたが、目に見えないエアリーク箇所を見つけることは難しい。静かな環境であれば空気が漏れている箇所は“その音”で気付くことはできますが、工場では大小の騒音が邪魔をします。FLIR Si124は騒音下でもリーク箇所の特定が可能と伺いました。三重工場のエア配管はまさに縦横無尽に張り巡らされているので「漏れをゼロ」にするハードルは高いがいつか対策に取り組みたいと思っていました。

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(写真1)主製造設備の他付帯設備にもエア配管が多数敷設されている。

FLIR:FLIR Si124を使用した感想をお聞かせ下さい。

柳生社長:「“エアリーク”の見える化って本当に可能なのですか?」これがFLIR Si124のカタログを見た最初の感想です。その後FLIRの担当者から“ 人の可聴域以上の周波数=超音波を複数のマイクで捉えてリーク箇所を可視化する”という説明をお聞きし、「なるほど!」となりました。はじめに感じたことは使用・操作がとても簡単だということです。リークが疑われる箇所をカメラで見るだけで特別なトレーニングや知識が不要な点が良かったです。今回の点検では漏れていないと思っていた箇所からエアリークが見つかり、電気代のロスにつながっていたことが可視化されました。FLIR Si124はリアルタイムでリーク量と年間損失コストが表示される為、現場のコスト意識にもつながる点が良いと思います。さらに先述の場所の特定ができなかったリーク箇所は、音の反響によって見つけるのが難しくなっていたことがわかり、多くの気づきがありました。

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リアルタイムで表示されるリーク量と年間損失コスト

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リーク音があったが場所を通常のデジカメで撮影した様子

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リーク音があったが場所の特定ができなかった箇所をFLIR Si124では容易に特定可能。

山口常務(製造部長):弊社製造現場ではバーナーなど周囲音が大きい場所があります。片手で持つようなカメラで実際にリークが見つけられるか半信半疑でしたが、FLIR Si124で工場内を回ってみると予想以上にリークが正確に、そして簡単にわかり驚きました。天井面に設置した距離の離れたエア漏れもよく捉えていました。

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天井に設置されたエア配管の点検

岩出業務部長:配管を追っていく場合、周囲との取合いの関係で狭い場所がありますが、FLIR Si124であれば容易に入り込むことができます。一般的な音響カメラの半分以下のサイズで設計されていると聞いてコンパクトさのメリットを感じました。初めて使う人は現場によっては反射した超音波が映り込んだりして特定に迷う場面もあると思いますが、気になる箇所があれば撮影する方向を変えるなどちょっとした工夫で簡単にリークをつきとめられることがわかりました。非常に面白いツールだと思います。

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FLIR Si124は音響カメラでは珍しいガンタイプで片手操作式

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反射の様子

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アングルを変えるなどちょっとした工夫で特定できる(モード変更でも見やすくすることができます)

FLIR:FLIR Si124を検討されている皆様へアドバイスをお願いします。
柳生社長:安全や品質、コストなど様々な経営課題がありますが、昨今カーボンニュートラルへの注目が高まっている中でFLIR Si124は手軽に少ない現場負担でリークを見つけ出し、電気代の削減によって二酸化炭素排出削減にも貢献ができると思います。百聞は一見に如かず! 一度皆さんの工場でも“空気漏れチェック”をしてみてはいかがですか?

FLIR:お客様の現場で点検に同行させていただくと毎回新しい発見があります。今回印象に残ったのは音が聞こえるがリーク箇所が突き止められなかった配管です。通常は反射した超音波は除外すべき対象として扱いますが、今回は逆に反射を追いかけていくことでリーク箇所が発見できたという貴重な経験ができました。ありがとうございました。

ミナルコ株式会社について

ミナルコ株式会社は日本唯一のアトマイズアルミ粉専業メーカーで、創業から104年を超える100年企業です。代表の柳生宗一氏は大阪大学で金属工学を学び、卒業後に総合商社勤務を経てミナルコ株式会社に入社。国内向けに自社製造体制を整え、製品の機能性と供給の機動性が評価され需要が増加している。

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ミナルコ株式会社代表の柳生宗一氏

FLIR Si124に関するQ&A
Q:平均の取り扱いトレーニング時間は?
A:操作取り扱いは約5分程度、効率的に使いこなす為の現場OJTでは約15~30分程度(リーク箇所×3程度)となります。

Q:診断対象は?
A:エア、蒸気、窒素配管など気体種別は問いません。一定の圧がかかっていることが条件です。(最低0.3Mpa以上)

Q:コスト削減効果は?
A:標準的な試算でリークサイズ1.5mm、0.7Mpaにおいて年間¥100,000程度です。(¥72,000@0.55Mpa)リークサイズ12mm時は¥600,000@0.7Mpa。通常30分程度の現場巡回をすると5箇所以上発見できるケースがほとんどです。

デモご希望のお客様へ
デモンストレーションと現場OJTを無料で行っております。ご希望のお客様は診断対象物と配管圧の値を合わせてご連絡下さい。(スローリークは検出できません)また合わせてサーモグラフィカメラによる電気設備の簡易診断を行うこともできます。

ページ内お問い合わせフォームに必要事項をご記入の上、お問い合わせください。

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