フリアーシステムズの赤外線サーモグラフィカメラはFIAT車の品質品質保証に役立っています

自動車は、燃費を抑えるために軽量化する必要がありますが、その一方で、耐久性も求められます。 軽量化と耐久性の両方を実現するために、最新車両のパネル素材は表面の金属層と接着層の複合層構造になっています。 これらの層は、誘導加熱によって接着されています。

誘導加熱は高度な手法です。 適切に接着するためには厳密な温度管理が必要です。 この接着工程の円滑化のため、FIATではフリアーシステムズの赤外線サーモグラフィを導入し、工程の自動フィードバックを得ています。

ドライバーと歩行者双方の安全確保のため、自動車の外装材には厳格な安全基準を満たす耐屈曲性が要求されます。 そのため、自動車産業では、軽量な金属層の接着に高度な工法を導入しています。この工法では、接着剤の強度を調整することで、ボンネットの端の硬度は高く、中心部分は弾力性を保つことができます。 つまり、車体構造の堅牢性は保ちながらも、万一の事故の際には歩行者を負傷から保護するため、車体外装部品の耐衝撃性は残すのです。

それら2種類の要素を組み合わせる工程は接着と呼ばれます。 プラスチックと金属を接着するためには、接着層の温度を150~180℃の範囲内にする必要があります。 現代の自動車メーカーでは、必要な温度を実現するために電磁誘導加熱と呼ばれる方法を使用しています。 電磁石を使用することで、導電性の物体(この場合は金属層)にいわゆる「渦電流」が発生します。 金属抵抗により熱を発生させます。

数秒で最大180℃に加熱

伝導によって、部品の金属層はわずか数秒で規定温度まで加熱されます。 金属層の熱で構造接着剤が半重合され、粘着性のある状態から硬化し、金属層を接合します。

この工程の所要時間は、使用する接着剤の種類と必要な接着部の量に応じて異なります。 通常は、開始から完了までおよそ40~45秒かかります。

しかし、その他すべての工程と同様に、不具合が生じることもあります。 接合部の温度が何らかの理由で、接着剤が硬化する規定温度外になれば(規定温度を上回っても、下回っても)、部品の脆弱性の原因となります。

Aシリーズのカメラによる品質管理では、接着接合が適切に行われていることを確認します。

FIATは、製造工程をフル稼働させた状態で、接着が適切に行われたことを確認する方法を探していました。 イタリアの企業であるInprotec社がまさにそれを提供していました。サーモグラフィカメラFLIR A615を使用した品質試験でした。

Inprotec社は、産業安全用途に向けたハイテク機器の販売代理店として、1992年にミラノで設立されました。 創業後すぐにサーマルイメージング技術の有用性を認識し、フリアーシステムズの製品の取扱いを開始しました。 現在では、Inprotec Groupはイタリアのミラノだけでなく、ローマやシチリア島、さらにはアルジェリアにも支社を構えています。

FLIR A615サーモグラフィカメラは、0.05℃までのわずかな温度差を正確かつ確実に検出し、640×480ピクセルの解像度で赤外線画像を生成します。 誘導加熱の工程で適正温度に達しない場合は、自動的にアラームが作動し、操作担当者に警告します。 適正温度に達していない場合、接合が適切に行われていないため、その場合は部品を廃棄しなくてはなりません。

Inprotec社のサーマルイメージング部門の販売部長Roberto Ricca氏は、FLIR A615サーモグラフィカメラの品質に非常に満足しています。 「FLIR A615では詳細な赤外線データが得られるため、この種の用途に最適です。」

ソフトウェア

Inprotec社では、フリアーシステムズのソフトウェア開発キットを使用して、FLIR A615を使った誘導加熱工程検査の赤外線データ用のインターフェースを開発しました。 この赤外線データは、品質トレーサビリティの一環として、ボンネットの製造記録としてサーバーに保存されます。 Inprotec社の技師は、サーモグラフィを保護ハウジングに格納し、レンズが汚れないようにファンを設置しました。 検査対象の部品までの距離は4メートルあり、ロボットアームが部品の積み降ろしを自動で行うことができます。 タッチスクリーンは使いやすく、工場作業員は迅速かつ容易に作業をすすめることができます。

ギガビットイーサネット接続

「サーモグラフィカメラからの温度データ付きの映像は、ギガビットイーサネット(GigE)を介してコンピュータに送信されます」と、Ricca氏は続けます。 GigE Visionは、ギガビットイーサネットの通信プロトコルを用いて開発された新しいカメラインターフェースの規格です。 GigEは長距離通信に低コストの標準ケーブルを使用できる初めての高速通信規格です。 GigE Visionにより、異なるメーカーのハードウェアとソフトウェアをシームレスに相互運用することが可能です。

誘導加熱装置を製造するKGR社の技術部長Marco Simioli氏はFLIR A615サーモグラフィカメラを高く評価しています。 「FLIR A615のシステムを使用することで、当社製造ラインの最適化を図ることができます。 赤外線データにより、加熱工程の評価と最適化が可能になります。 さらにアラーム機能により、オペレーターは要件を満たさない部品を取り除き、完璧な製造ラインを確保するために是正措置を講じることができるのです。」

将来の使用に向けてシステムを適応可能

コンピューターで16カ所以上の計測点の温度を事前設定したパラメーターと照合します。 計測温度が規定値を上回ったり、下回ったりする場合は、アラームが作動します。 Ricca氏は計測点を簡単に追加できる点も評価しています。 「これは重要な機能です。 このシステムは柔軟性が高いため、新型車のニーズにも十分に対応できるでしょう。」

新型車が開発されるたびに接合箇所は増える、とRicca氏は説明します。 「そのため、高い品質と生産率を維持する上で、信頼性とコストパフォーマンスの高い品質検査がますます重要な要素となります。 FLIR A615サーモグラフィカメラを使用した自動品質検査によって、それが可能になるのです。」

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