酵素探知とモバイル GC/MS 分析の結合

人や財産を大量破壊兵器(WMD)から保護するには母国の安全を確保するうえでの段階的なアプローチが必要です。主たるミッションは最前線のオペレータのニーズから中央司令部まで多様です。探知と特定から脱汚染に至るまで、タイムライン全体の各イベントが実行可能な帰結に発展するような特定の能力群を必要とします。脅威、ならびにオペレータのミッション遂行にあたって割り当てられる時間量に基づいて必要とされる能力双方の種別を勘案した段階的なアプローチが不可欠です。

段階的な保護の結合型テクノロジー

FLIR Agentase™ C シリーズ製品は、Griffin™ モバイル・ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)と一体化することで、化学物質脅威を対象とする総合的なソリューションを供与します。インシデント対応中、C シリーズ推定スクリーニング・ツールは最前線のオペレータに対し、その他のテクノロジーでは検出や人命保護ができないような水準の脅威を瞬時に警告します。そして、サンプルを破壊することなく、サンプル収集に使用することすら可能です。復旧フェーズ中、Griffin X-Sorber 等の付加的なFLIR サンプリング・ツールが交戦地帯でのサンプル収集目的で使用されます。サンプル準備がほぼ皆無で済み、化学物質特定がモバイルGriffin GC/MS を通じて数分内に確認されます。Griffin GC/MS システムは、対応策が講じられる場所によらず、利用者に絶対的な自信を確実に付与します。

特長 & 利点

Agentase C シリーズ製品:

  • 最前線のオペレータにとっての信頼性の高いスクリーニング・ツール
  • 数分で探知して早期警告を発信
  • IDLH(生命や健康への差し迫った危険)や縮瞳水準で探知
  • 他のセンサでは探知不能な低水準でも警告発信
  • 操作にあたって特別な技能不要
  • 1時間以内で終了するFLIR Agentase C2 化学物質探知トレーニング

Griffin GC/MS 製品:

  • 最も過酷な環境に耐えうる構造およびMIL-STD-810G 試験実施
  • 手軽でシンプルな使い勝手
  • 代替可能なサンプリング・ツールですが、サンプル準備はほぼ皆無で済みます
  • 正確で高性能の化学物質ライブラリ
  • 比類のない柔軟性、ミッション変化に伴って新たな役割に転換
  • シンプルな日常的保守管理がシステムのアップタイムを最大化
  • サンプルあたりのコストが極めて低い、安価な化学物質分析ソリューション

酵素ベースのセンサによる探知

Agentase C シリーズのセンサは酵素ベースのテクノロジーを採用して比色分析探知結果を生成します(図1)。そして、利用者による、交戦地帯での直接的な、表面や大気中の化学兵器(CWA)/ 毒性工業用化学物質(TIC)汚染の探知を可能にします。酵素ベースの感知テクノロジーが極めて低いフォールス・ポジティブ率を実現し、表面上の単一のマイクログラム単位の反応性を供与します。

モバイルGC/MS による科学捜査分析

GC/MS は化学物質分析の究極の実験室標準です。単一の複雑なサンプル混合同士を差別化しうる極めて選択的で特有のテクノロジーです。このことは瞬時かつ正確な化学物質特定において有益です。化学的な緊急事態は至る場所で起こりえます。Griffin GC/MS システムは、誰でも使用することのできる、現場仕様のパッケージにて実験室品質の科学捜査分析を提供します。

インシデント対応

使用に先立ってCWA を探知するのは困難です。早期警告はミッションクリティカルです。保安人員は、何かが発生してから最初の数分以内に警告を受ける必要があります。有害事象の微量レベルでも瞬時に検知できる能力こそが低水準の長期的な暴露から人を保護し、人命を救うのです。最初の指標がフォールス・アラームにつながらず、不要なパニックを引き起こさないことが絶対的に重要です。こうした初期推定結果ですが、通常、実際の事象が発生する前に非常に後悔する措置を講じてしまわないよう確実にすることに焦点を置いた確認測定を推進します。

最初に、現場のオペレータはAgentase™ C1 化学物質センサを用い、嫌疑の攻撃後の様々な表面上のクラス特有の物質を瞬時に探知します。オペレータは神経(G&V シリーズ)、血液(AC)やびらん(HD)剤、酸、基剤、アルデヒド、酸化剤が存在しないか、表面、固形、液体調査を実施します(図2)。センサはサンプルを破壊せず、GC/MS 経由での最終的な科学捜査を可能にします。探知は5分以内に完了し、結果は読解が容易です。この推定スクリーニング・ツールはインシデント対応ミッションに必要なスピードと精度を実現します。

復旧フェーズ中、科学捜査は、しばしば、攻撃において用いられた脅威を積極的に特定するのに用いられます。Griffin GC/MS システムは、大抵の場合、交戦地帯における仮設テント構造、展開型実験室、その他の車両に展開されます(図3)。システムには、交戦地帯での使用向けの携行型蒸気サンプラーであるGriffin X-Sorber が搭載されています(図4)。最前線のオペレータは、Agentase C1 による積極的な探知の後に、サンプルを収集します。X-Sorber は、サンプル準備不要で、ディーコンライン(decon line)を移動しますので、オペレータは、自動脱着と分析目的で、Griffin GC/MS にプラグインします。数分以内に、オペレータは攻撃において用いられた化学物質の確認特定を赤または緑色のアラームで受領します。この現場型の実行可能なインテリジェンスですが、オペレータや司令部に安心や自信を付与します。

クリーンアップ

攻撃が確認された後、ミッションは効果的な対応措置に焦点を当てます。汚染マッピング(人と物双方)、因果関係の処理および迅速な脱汚染といったオペレーションが早急に実施され、死亡件数の縮減を図ります。脅威が実際にどこに行ったのかをきちんと理解することは難しいオペレーションですが、効果的な対応の供与にあたって絶対的に重要です。

脱汚染の取り組みですが、特定の汚染領域が表面上で特定するのが困難な際、費用がかさむ可能性があります。十分な注意を払い、不要な場所にも除染装置を設置する必要があります。Agentase C2 を直接表面に噴霧すると、とりわけ、神経ガス(G- & V シリーズ)や硫黄マスタード(HD)といった特定のCWA 汚染の存在が明らかになります。該当領域が化学汚染に被曝されている、もしくはさらなる除染が必要な場合、5分以内に、オペレータにアラートされます(図5)。Agentase C2 は使用者による適用の集中および使用された除染や水の量の削減、ならびに、結果としての費用の3~5倍の減少を可能にします。

Agentase C シリーズ製品による積極的な探知の後のArtilThe サンプル準備は極めてシンプルです(図6)。脅威の物質が特定されると、オペレータはぬぐい液を使って汚染領域に接触することとなります。こうしたぬぐい液は有機溶媒で希釈されています。標準の薬液シリンジを用い、希釈サンプルから少量を抽出し、分析や迅速な確認目的で、シリンジがGriffin GC/MS に注入されます。

サマリ

タイムライン全般にわたり、保安担当人員、第1対応者、緊急時担当マネージャー、軍当局者が職務遂行にあたってしかるべきツールを必要とします。探知から除染に至り、ならびにその間、実験室品質の現場での使用が実証された能力が必要とされます。Agentase C シリーズ製品およびモバイルGriffin GC/MS を用いることで、オペレータは探知から確認まで30分以内に実行することができます。Agentase C シリーズは最前線のオペレータに対し、人的危害や人命損失が現実となってしまう前に、迅速で推定的な探知を行う能力を供与します。Griffin GC/MS が供与する確認特定は適切な除染対応の促進に寄与します。現場で化学物質分析を実行する能力が不要なサンプルの出荷に要する経費を削減し、その代わり、分析過程の管理に必要な証拠のみの出荷を実現します。システムベースのアプローチの実施は、ミッションの遂行場所を問わず、自信を付与してくれます。

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