FLIR Arms「ホットアイ」付きインテリジェント電力点検ロボット

変電所とは、電圧の変更、従来型電力システムへの電力の受け入れや配電を行うための電力施設です。 変電所の稼働中、通常、点検から得られる情報の95%は目視観測によるものです。 変電所の監視には、ビデオ監視もよく使用されますが、この技術ではターゲットとなる機器の稼働状態を分析することができないため、安全性に関する問題が残っている可能性があります。 しかし、赤外線サーモグラフィカメラに搭載されたインテリジェント電力点検ロボットは、人的点検に取って代わることができ、遠隔操作信号や遠隔視聴を効果的に補完することにより、変電所の安全な稼働を確認することができます。

Shenzhen Launch Digital Technology Co., Ltd.は、インテリジェント産業機器やソリューションのトップサプライヤーです。 この会社の、インテリグリッド製品Launchシリーズは、中国のElectric Energy Research Institute of the State Gridおよび第三者検査機関による包括的な点検に合格しました。 この製品は、Northeastern Grid社、Northwestern Grid社、Northern China Grid社、Central China Grid社、Eastern China Grid社およびSouthern Grid社で順調に使用されています。 Launch変電所用ロボットは、主に110kV、220kV、330kV、500kVおよびこれを超える変電所で使用されており、作業者による目視点検に取って代わるとともに、点検の頻度、有効性および品質を効果的に改善しています。

電力機器の温度

Launch Technology社の専門家であるXian Kaiyi氏によると、電力機器の温度計測において重要な点は、異常温度が迫りくる機器の故障を示すということです。 赤外線サーモグラフィカメラは、熱放射をとらえるのに理想的な非接触型ツールであり、したがって温度変化もとらえることができるので、機器の故障を検知するために使用することができます。

人による定期点検では、通常、変電所内における異物の状態確認に加え、主要変電所、アイソレータ―、開閉器、およびその他機器を考慮します。 しかし、人的点検は、単調で繰り返しが多く煩雑になりがちなので、ミスが起こりやすいのです。 ロボットには、当然このような問題はありません。 Launchのインテリジェント電力点検ロボットは、高頻度の、大規模なミスのない点検を行うことができます。 ロボットは、フリアーシステムズの赤外線サーモグラフィカメラを使用して、変圧器の巻き線や油冷式システム、HVブレーカー、アイソレータ―、コンデンサ―、およびバスバーの過熱を正確に調査し、熱欠損の位置を確認してアラームを鳴らします。これらにより、機器点検の有効性は大幅に改善されます。

温度アラーム

インテリジェント点検ロボットは、日中の点検、赤外線サーモグラフィカメラを使用した夜間点検、および主要機器の点検を行います。 ロボットは、ロボットのナビゲーションおよび動作制御を監視するため、マルチセンサーによる位置確認技術と電力地図・経路プランニングを併用します。 これにより、機器の状態を正確に把握し、ビデオ解析の正確性および信頼性を向上させます。

点検ロボットは、赤外線サーモグラフィカメラFLIR A310を利用します。 ロボットは、電力機器間を往復し、自動操作または手動操作で、記録されたすべての点検情報を保存し、分析レポートを作成します。 温度異常または電力閉鎖の場合、システム全体でアラームを即時発報し、故障の発生源を確認します。

赤外線サーモグラフィカメラを搭載した「ホットアイ」付きロボット

「インテリジェント点検ロボットのコアコンポーネントは、フリアーシステムズの赤外線サーモグラフィカメラとデジタルカメラです。 どちらもロボット上部に取り付けられ、まるで敏感な目のようです。」と、Xian Kaiyi氏は述べます。

プラットフォームはイーサネット経由でロボットの制御コンピュータに接続されており、一方、マスターコントロールユニットはネットワークを介して、赤外線サーモグラフィカメラ、高解像度カメラおよびプラットフォーム動作を制御します。 赤外線サーモグラフィカメラは、CVBSアナログ形式の動画を出力し、高解像度カメラはH265形式の動画を出力します。

温度測定データは、イーサネット経由および動画圧縮板経由で、メインコントロールユニットへと送られ、マルチフレーム全画面温度測定データおよび最高温度と最低温度の情報が提供されます。 同時に、正確なプリセット位置と合わせて、放射輝度、距離および面積に関する情報も得られます。 このように、計測の正確性が保証され、温度計測値を継続的に比較することができます。

シームレスな互換性

Xian Kaiyi氏によると、赤外線サーモグラフィカメラのデータと他の検出器から得たデータの統合は重要なことです。 「フリアーシステムズのデータとロボットソフトウェア間の効果的な互換性が実現されましたが、これは成功のための重要なファクターでした。」

フリアーシステムズの赤外線サーモグラフィカメラは、ロボット、トラック、および固定支点に取り付けられて、高解像度カメラ、音声取得機器およびWi-Fi機器とともに完璧に動作し、作業場における許容値±2℃以内の正確な温度測定により、電力機器の安全な使用を確保します。

重要設備監視用の赤外線サーモグラフィカメラ

Xian Kaiyi氏は、次のように述べました。「赤外線サーモグラフィカメラFLIR A310は、私たちのインテリジェント変電所点検ロボットにぴったりです。」 A310は、固定型赤外線サーモグラフィカメラで、ほぼどの場所にも設置することができるため、重要な設備やその他の大切な資産を監視することができます。 FLIR A310には、地点温度測定、領域温度測定および温度差計測等の内蔵型分析機能があります。 FLIR A310は、イーサネット/IPおよびMOdbus TCPに適合しており、分析結果やアラームを簡単にPLCと共有することができます。 赤外線サーモグラフィカメラは、自動的に分析結果やIR画像を送信し、さらに、スケジュールに従って、またはアラーム発生時にメールに自動送信します。 FLIR A310は、320×240ピクセルの鮮明な画像を作成し、PCでライブ映像を見せるためにイーサネット上でMPEG-4動画をストリーミングすることができます。電動式フォーカスを備えた内蔵型25°レンズが付いています。

信頼できるパートナー

Xian Kaiyi氏は、次のように述べます。「赤外線サーモグラフィカメラを私たちのシステムに統合する際のフリアーシステムズのサポートは、注目すべき点です。 フリアーシステムズは、私たちに必要な情報をすべて提供してくれました。 このことは、業界内での大手ブランドとしての信頼性や信用を反映するものです。」

「最も重要なのは、フリアーシステムズの製品が、高品質の画像、±2℃の正確性、リアルタイムのアナログ画像、および全画面の温度測定データを備えていることです。 さらに具体的にいうと、FLIR A310により、従業員の作業量や人的点検によくある主観性を低減し、点検頻度を上げることができます。 システムソフトウェアと合わせて使用すると、フリアーシステムズのカメラにより、問題のある場所を確認し、レポートを自動的に作成することができます。これにより、点検の効率と作業上の安全性が向上します。」

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