国際協力のために設計された、高い精度と柔軟性を持つ3D顕微鏡

現在、グローバルなチームで仕事を行うことが当たり前のことになり、グローバルな取り組みを促進するツールがますます不可欠なものとなっています。 これを踏まえ、Octonusは異なる場所のチームメンバーが仮想現実のミーティングルームで3D対象物を同時に観察できる、高い精度と柔軟性を持つ3Dデジタル顕微鏡、3DDMを開発しました。 3DDMには、画像補正のさまざまなオプションも搭載されているため、1つのシステムで対象物のより精細で完全な姿をすばやく見ることができます。

Octnus 3DDMとは何ですか?どのように動作しますか?

 Octonus 3DDMは、Leica Microsystems(ヴェッツラー、ドイツ)のM205a立体顕微鏡をベースにしています。 3DDMでは、スタンダードなLeicaプラットフォームに、モーター可動式ステージに搭載されたオブジェクトホルダ、オーダーメイドのLED照明システム、FLIR(旧Point Grey) Grasshopper3 カメラ1組が追加されています。

画像を作成するために、オペレーターは3DDMのオブジェクトホルダにサンプルを載せます。 オペレーターはマウス、キーボード、または3Dジョイスティックといった標準的なデバイスを使用してカメラの視野の中でサンプルを回転させることができます。 同時に、カメラに取り付けられたフォーカシングドライブとシステムの光学式絞りを調節することで、シャープな3Dビデオ画像のキャプチャが可能になります。

オブジェクトホルダ上で光を照射されたサンプルが回転するのに合わせて、2つの Grasshopper GS3-U3-23S6C-C カラーカメラが、ライブで高品質なビデオストリームをキャプチャします。 カメラがキャプチャしたデータは、3Dビデオストリームか3D/2D画像のいずれかのコンパクトなビデオフォーマットでPCに格納されます。 各フレームの完全なデータセット(光学式絞り、照明装置およびホルダのすべてのデジタル設定)も、画像やビデオシーケンスの始めに格納されます。 これにより、ライブまたは録画されたデータの処理が可能になります。

PC上で動作している画像解析ソフトウェアが、対象物の特徴を10μmの精度で測定します。 2D/3Dの組み合わせモードによって、3D空間および対象物を通る投影面に沿って測定を実行できます。

3DDMの対象物照明およびデジタル補正オプション

顕微鏡の多機能LED光源により、複数の方法でサンプルに照明を当てることができます。 プログラミングに応じて、光源から可視近赤外線または紫外線をサンプルの後部または側面に対して同軸上に照射することが可能です。 生きている未着色の生体サンプルの画像シーケンスキャプチャに適した暗視野照明により、収集された画像のコントラストを強調することができます。 3DDMには、詳細な画像キャプチャを可能にするさまざまなデジタル補正オプションが搭載されています。 オプションには以下のようなものが含まれています。

図1:魚の内部。  上段左:後方照明。 上段右:上方照明。  画角16mm。  下段左:暗視野照明。 下段右:NIR光   画角18mm。

  • ハイダイナミックレンジイメージング(HDRI)で、もともと露出が不十分だった部分の画像詳細を補正して正確にキャプチャできます。
  • 12ビットトーンマッピングを使用すれば、標準的なディスプレイでも精確なHDR画像を見ることができます。
  • 拡張された被写界深度(EDF)テクノロジーにより、複数の写真一組としての解析ではなく、対象物全体に焦点を合わせた単一の写真としての解析が可能です。
  • 画像解像度と視野を自動的に増加させる画像スティッチングアルゴリズム。

図2:左のイメージはカメラのオリジナル画像です。  右の画像は、局所コントラスト、拡張された被写界深度、HDRで強調された画像です。 両方の画像の視野は16mmです。

3DDMのその他の特長

バーチャル・ミーティングルーム

3DDMでは、3Dテレビと立体メガネを使ってバーチャルミーティングルームを作り出し、グローバルなチームのコラボレーションを促進させます。 プレゼンターは、マウスカーソルの使用、画像の移動、ズームイン/ズームアウト、FPSの変更、レイヤーの追加・削除などにより、注釈付きの画像を追加したり、重要な詳細部分に同僚の注意を向けたりすることができます。 実世界の要素を、3Dモデル、計測機器、および拡張現実などのコンピューターで生成した入力で補完できます。

カスタマイズ化

3DDMには、お客様と開発者向けのC++ SDK(ソフトウェア開発キット)が搭載されています。 SDKにより、システムの照明、光学ユニット、およびホルダの制御が可能になります。 さらに現行の画像処理アルゴリズムの拡張、追加も可能になります。

次の手順

近い将来、Octonusではカメラを2.3 Mpから5~12 MPにアップグレードすることで、3DDMでキャプチャした3Dビデオ画像の解像度を増加させる予定です。

Octonus概要

Octonusは、産業用画像処理システムおよび解析システムのメーカーとして20年以上の実績があり、多くのプロジェクトにハードウェアとソフトウェアを提供してきました。 同社は、半透明の対象物の内部構造を再構成する光学的手法開発のパイオニアであり、2~50mmサイズの対象物の精確な3Dモデルの開発も行っています。

octonus.com
参照: dm@octonus.com

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